学会誌

農業のイノベーションモデル仮説と検証

 農業について、多くの観点から期待が高まっている。これまで、農業のイノベーションについては、農業の特殊性などのために、ほとんど研究がなされてこなかった。
 本稿では、農業の変革につながる 14事例の分析を通じて、農業のイノベーションモデルの仮説を立てて、検証する。モデルとして、T(Technology Push)、D(Demand Pull)に、農業の特質に根ざした I(Instinct Push:健康本能追求 )とS(Social Pull:社会的要請行動)を加えた、DISTモデルの有効性を検証した。
 農業のイノベーションを、DISTモデルを用いて出発点(最初の Opportunity)を4つに分けることで、出発点が同じであるなら、その後のプロセスに共通点が多く見いだされることがわかった。
 これにより、アーリーステージで、次のステップの課題が明確になり、農業のイノベーションを推進していくための戦略立案に資することを確認した。

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