学会誌

新規事業開発におけるもう1つのチャンピオンとアンタゴニスト

 筆者による新規事業開発の参与観察と複数の事例調査分析の結果、チャンピオン(擁護者)には従来言われてきたような新規事業を一貫して擁護し、支援するチャンピオンが存在する一方で、チャンピオンからアンタゴニスト(反対者)に態度を180度変えたり、また逆にアンタゴニストからチャンピオンに態度を変えたり、場合によってはチャンピオンからアンタゴニストに変わりまたチャンピオンに戻るという人物が存在することが明らかになった。これらの発見は今後の新規事業開発の研究に重要な貢献をする論点であると考えられる。
 また、これらの人物の態度変化の理由は、①外部環境の悪化、②クレーム回避、③新規事業の魅力の度合いの認識の変化、であった。

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