学会誌

老舗温泉旅館の企業家活動と温泉地の再生

 老舗温泉旅館が今日まで生き残ってきた経緯を調べると、そこには同族企業としてさまざまな事業展開のケースを見出すことができる。本稿で取り上げる雄琴地区は、1970 年代の一時の風俗業の盛衰による負の遺産を背負い、温泉地としても低迷していた。この時期に事業後継をした二人の経営者は、現状に危機感を抱き、地域の企業家としての改革を進めていく。同時に、次世代を託す若手後継者を教育し、チーム作りに力を注いだ結果、やがて彼らが後継者となり、強い結束力のもと今度は彼らが新たな企業家として地元再生に寄与していく事例である。

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