学会誌

成長ベンチャー企業の従業員満足度を高めるインターナルコミュニケーションプロセスモデル

 インターナルコミュニケーションは、企業が成長し、組織が発達する過程において、戦略的に取り組むべき課題である。本来、インターナルコミュニケーションはプロセスとして捉えるべきであるが、実証的にインターナルコミュニケーションプロセスを解明した研究は少ない。
 筆者は、ベンチャー企業の成長とインターナルコミュニケーションプロセスの関係を明らかにすべく、これまで30 名から650 名規模の国内の中小・ベンチャー企業10 ケースを調査し、プロセスのモデル化を試みた。しかしながら、理論の飽和に至らなかったことから、より規模の大きい3,000 名規模の成長ベンチャー2 ケースを調査した。調査は、社長、ミドルのコミュニケーション意図と行動、それらの行動に対する従業員の感じ方をインタビューとサーベイによって行った。
 本稿では、調査結果をGrounded Theory Approach (GTA) によって分析することで、従業員満足度を高める成長ベンチャー企業のプロセスモデルの概念、カテゴリー、プロセス図が生成されたことを示す。

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