スマホサンクスカードのインターナルコミュニケーション満足度とやる気への影響
サンクスカードは、大企業を中心に従業員同士の「感謝の気持ち」、「褒める文化」を醸成するために利用されている。紙のカードによる方法が主流であるが、導入には組織的な仕組みを必要とする。最近スマホで電子カードを送るクラウドサービスを提供するベンチャー企業も登場してきた。導入準備や集計、分析が簡単で、運営コストも安く、従業員間のメッセージ送受信も楽なため、導入を躊躇していた企業でも手軽に利用できる。新たなインターナルコミュニケーション活性化法として組織形態を問わず広く普及すると考えられる。
本稿では、これまで導入の煩雑さから普及があまり進んでいない小規模分散型の多店舗組織におけるスマホサンクスカードの導入効果を検証した。15 名から40 名程度の飲食店チェーン5 店舗で2.5 か月運用し、スマホサンクスカードによってスタッフの仕事の満足度や横のコミュニケーション満足度が向上する可能性が示唆された。やる気の変化は確認できなかったが、どのようなメッセージを送信すれば効果的か運用面での実務的な示唆を提示した。