学会誌

ふるさと納税のきっかけと動機に関する調査


本論文では、ふるさと納税のデータをもとに、拠出金額に影響を与える要因と資金提供者のきっかけと動機に接近した。主に3つの発見があった。1点目は、資金提供者のふるさと納税での平均拠出金額は、自治体への訪問歴や居住歴あるいは友人知人がいるなど、何らかの関係がある人たちにおいて高くなる。2点目は、資金使途を指定しない人たちは平均拠出金額が高くなることである。3点目は、ふるさと納税先の自治体を知ったきっかけとしては、20~40代の比較的若い年代にはインターネットメディア、それ以上の年代ではテレビ・ラジオ、クチコミが効果がある。特に、調達金額や知名度がまだ低い場合は、関係者や近隣の人たちへのクチコミがより重要となる。以上から、ふるさと納税を実施する自治体が効率的に資金調達を行うには、自治体と何らかの接点のある層の開拓と育成が効果的であり、マーケティング戦略上は初期のクチコミが求められる。

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