学会誌

企業経営における教育事業


本論文では、企業経営における教育事業の持つ意義を考察する為に、医薬品の製造と販売を試み、日本全国にチェーンストアを展開した星製薬株式会社の事例を、創業者である星一の企業家活動を中心に分析した。
分析には、星製薬株式会社の営業報告書、社報、星一の著書、言語録を中心として用い、星薬科大学の大学史、星一の評伝なども参考にした。
星は若くして米国のコロンビア大学で学び、帰国後は医薬品の製造販売を中心とした星製薬所を創業し、株式会社へ改組し、チェーンストア方式を取り入れ発展させた。販売においては広告宣伝を活用し、消費者の耳目を集めた。販売網を築くにあたり、啓蒙教育活動の要素を取り入れた。
星の教育事業は、長期間を要する人材育成を優先するという考えの下に推進された。これがコーポレート・アイデンティティの確立を推進し、販売網の拡大にも貢献し、同時に企業成長の一因となったことを示した。

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