学会誌

発達障害とアントレプレナーシップ


本稿は、発達障害特有の資質がアントレプレーシップというコンテキストで大きく開花する可能性を学術的な視点から捉え展望している。
世界では著名な起業家がADHDをかかえていることが逸話として知られているが、学術的な視点からの実態とメカニズムの解明は途に就いたばかりといえよう。本研究はこの開拓途上の領域に一石を投じる。
実証分析に際しては、まず日本の発達障害をもつ起業家の現象と特徴を俯瞰した上で、次にそこから2つのケースを抽出しその実態を描写し分析を加えている。起業や事業を軌道に乗せるプロセスで、発 達障害という資質がどのように影響を与えているのかについて、探索型リサーチによる分析結果から5つの学術的含意とプロポジション(命題)を示す。

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