学会誌

スチューデント・アントレプレナーの起業プロセス


本研究は学生が将来のキャリアの選択肢に起業を入れ、活動をしながら起業意欲が向上し、卒業後も自らの事業を主たる活動として推進しようとする気持ちがどのように高まってゆくのかという主観的な起業のミクロプロセスを分析し、明らかにすることを目的とする。
学生からのeメール、参与観察で得られた会話、インタビュー内容をデータとし修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析をした。その結果、起業プロセスは4つ、これに影響を与える要因2つがカテゴリーとして抽出された。起業プロセスは模索と整理、ミッションの発見、事業実施の試行錯誤、具体的な成果と拡張で、影響を与える要因は仲間からの揚力、規範と時間からの圧力であった。
見出された学生の起業は、起業という意思決定を事前に為すというよりは、本研究で示されたプロセスを斬進的に進めることで起業意欲が醸成され起業という意思決定に至るというものであることが示された。

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