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日本ベンチャー学会誌No.23 要旨

VENTURE REVIEW No.23
March 2014

事例研究論文 /Case Study

上野 恭裕/北山 寛樹
新事業開発の初期段階におけるMBA 教育の役割

 企業の持続的発展のためには、コア事業の戦略的転換である新事業開発が必要である。新事業開発を成功させるためには、製品や事業システムにおけるイノベーションが必要である。そのようなイノベーションを実現する存在が企業家であり、企業家による活動がアントレプレナーシップである。
 本稿では新事業開発の初期段階が成功し、アントレプレナーシップが実現されるためにどのような条件が必要かを明らかにするために、大学院における社会人MBA 教育の実践事例を紹介する。電子部品販売業を経営する企業家が、新事業開発を行うことを目指し、大学院に入学し、修士論文を作成することにより新事業開発が促進された事例を紹介し、新事業開発における論理的思考力とネットワークの重要性を示す。そしてそのような論理的思考力とネットワークが大学院教育、特に修士論文の作成を目的としたゼミナールにより提供され、新事業開発の成功確率が高まった事例示すことにより、新事業開発の初期段階におけるMBA 教育の役割を検討する。

キーワード:アントレプレナーシップ、ネットワーク、論理的思考力、新事業開発、MBA

岩崎 勝彦
老舗温泉旅館の企業家活動と温泉地の再生

 老舗温泉旅館が今日まで生き残ってきた経緯を調べると、そこには同族企業としてさまざまな事業展開のケースを見出すことができる。本稿で取り上げる雄琴地区は、1970 年代の一時の風俗業の盛衰による負の遺産を背負い、温泉地としても低迷していた。この時期に事業後継をした二人の経営者は、現状に危機感を抱き、地域の企業家としての改革を進めていく。同時に、次世代を託す若手後継者を教育し、チーム作りに力を注いだ結果、やがて彼らが後継者となり、強い結束力のもと今度は彼らが新たな企業家として地元再生に寄与していく事例である。

キーワード:老舗温泉旅館、事業承継、企業家活動、地域再生

日本ベンチャー学会誌No.24 要旨

VENTURE REVIEW No.24
September 2014

研究論文 /Article

古屋 光俊/東出 浩教
企業規模の拡大とインターナルコミュニケーションの組織的取組みの変化

 インターナルコミュニケーションは、社内コミュニケーションという言葉で広く使われるが、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象として、従業員の満足度に焦点を当てて実証的に研究された例は少ない。
 本稿では、1980 年代より米国を中心に発展したインターナルコミュニケーション満足度研究を利用して、国内の中小・成長ベンチャー企業を対象に、企業規模の拡大過程におけるインターナルコミュニケーション満足度を高めるような組織的な取組みとは何かについて、探索的に調査した。
 12 ケースの社長、ミドルへのインタビュー調査と従業員に対するCommunication SatisfactionQuestionnaire (CSQ) サーベイを同時並行的に行い、重層的に深く調査し、比較分析した。結果として、社長のコミュニケーション意識や組織的な取組みの違いによって、CSQ のディメンジョンスコアに影響があること、ベンチャー企業を急成長させるには、企業規模の拡大に従い、組織的な取組みを変化させていく必要性があることを発見した。

キーワード:インターナルコミュニケーション満足度、企業規模、CSQ

新藤 晴臣/秋庭 太
外部指向型コーポレートベンチャリングに関する考察

 本研究は、日本のベンチャー企業の、外部指向型コーポレートベンチャリング(CV)について、仮説構築を行うことを目的とする。特に本研究は、母体企業グループによる関係会社創出とセグメント構成に焦点を当て、議論を行っている。
 研究方法として本研究は、ソフトバンクグループ(SBG)に関するケーススタディーを行っている。具体的にはセグメント構成、関係会社創出、投資に関するデータベースを作成し、Pajek を用いて分析を行っている。
結論として、第1 に外部指向型CV のフレームは、背景(戦略的・経済的)、CV の特性(資源の移転、投資アプローチ)、成果(戦略的・経済的)、により構成される。第2 に外部指向型CV においてはF 型(ファンド型)とも呼ぶべき組織形態がとられる。なお本研究の主な限界点としては、単一事例研究である点が挙げられるが、今後は多様な研究方法を導入し、堅牢性を高めることで対処したいと考える。

キーワード:コーポレートベンチャリング、F 型組織、コーポレート ベンチャー キャピタル投資、大型買収、ソフトバンク株式会社

事例研究論文 /Case Study

山本 聡/名取 隆
中小製造業の国際化プロセスと国際的企業家志向性、輸出市場志向性、学習志向性:探索的検討と仮説提示

 近年、大手企業の海外展開が進展する中で、国内中小製造業にとっても国際化が重要な課題の一つとなっている。それでは、国内中小製造業はどのように国際化を志向・実現しているのだろうか。本論文では、経営者の企業家行動=企業家要因から、この問いへの回答を試みている。より具体的には、山本・名取(2014)における「国際的企業家志向性(IEO)」を利用した分析視点を踏まえた上で、「市場志向性(MO)」「/ 輸出市場志向性(EMO)」、「学習志向性(LO)」の分析視点から、近年の国内中小製造業の国際化事例、その中でも輸出による海外市場参入事例を対象として、探索的に分析している。その上で、山本・名取(2014)の分析視点を拡張しながら、「市場情報の収集」という点に着目し、国内中小製造業の国際化プロセスのモデル化を図っている。
 なお、MO/EMO、LO という概念は日本の中小製造業の国際化プロセスにはこれまでほとんど適用されてこなかった。よって、本論文は既存の中小企業論に対し、大きな貢献をしている。

キーワード:中小製造業、国際化、国際的企業家志向性、輸出市場志向性、顧客・市場情報の収集

資料/Research Data

福永 晶彦
地域振興組織のマネジメント

 地域振興の重要性が指摘されて久しく、各地で様々な取り組みが行われているが、そのような活動の成否を左右する要因の一つとして諸活動を企画、実行する組織の組織的な要因がある。本論文ではそのような活動を行っている地域振興組織に注目し、そのマネジメント上の特色を考察する。本論文では企業の形態をとり、その利益をもとに様々な地域振興活動に取り組んでいる茨城県大洗町の株式会社Oarai クリエイティブマネジメントの活動を考察した。同社の活動で近年注目されているのは同町を舞台にしたアニメーションに連動した観光振興、地域振興活動である。調査の結果、同社がDTP やイベント運営の組織能力を有していることもさりながら、様々なステークホルダーとの信頼関係構築に成功したことが指摘できた。そして信頼関係を構築できた要因として、利益を経営理念に従い大洗町のために新規企画の実行に振り向けていることを指摘した。

キーワード:地域振興組織、社会的企業家、組織能力、信頼関係、経営理念

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