学会誌

学会誌の編集方針

日本ベンチャー学会誌『Venture Review』は,ベンチャーおよびアントレプレナーシップに関する最先端の学術研究成果を発信し,アカデミアと実務界の架け橋となることを使命としています。日本ベンチャー学会の学術的知見の結晶として,厳選された高水準の論文を掲載する方針をこれまで一貫して堅持してきました。この伝統は今後も変わることはなく,引き続きアカデミックな厳密性と社会的意義を兼ね備えた優れた研究を掲載してまいります。

また、これまで本誌の成長と発展を支えてくださった歴代の審査編集委員会委員長――伊藤邦雄先生,金井一賴先生,西澤昭夫先生,山田幸三先生,福嶋路先生,江島由裕先生――の卓越したビジョンと志,厳格な査読制度と高い学術水準を継承し,さらなる発展を目指します。おかげさまで『Venture Review』は,採択率30%前後という厳選された論文の掲載により学界における確固たる地位を確立し,年2回(3月・9月)の安定的な刊行体制を維持し,信頼性の高い学術誌として定着しています。

ここから,さらなる発展と広い読者層への開放を目指して,以下の投稿規定の改訂を行います。今回の投稿規定の改訂は,2025年8月26日からの投稿に間に合うように実施されました。主な変更点は,以下の通りです。

【1】オープンアクセス・ジャーナルへの移行

第48号より,本誌は完全オープンアクセスの学術誌として再出発します。これにより,国内外を問わず,誰もが本誌に掲載された研究成果へ自由かつ無料にアクセスできる環境を整備しました。掲載論文には,CC BY 4.0ライセンスを付与し,改変・再利用の自由を認めることで,研究成果の普及と社会貢献をより一層促進します。なお,著作権は著者に帰属します。

【2】投稿論文の種別の再整理と明確化

投稿者や読者にとってわかりやすく,査読体制もより一貫したものとするために,論文等の種別を以下の5種類に整理しました。

  • 研究論文:理論的・実証的に新規性を持つ本格的な研究成果
  • 研究ノート:簡潔ながら新たな知見を提示する先端的試論
  • 招待論文:審査編集委員会からの依頼による寄稿していただく研究論文
  • 書評:会員の学術的関心に資する書籍の検討
  • 特集:レポート,動向分析,事例,実務報告,緊急提言,資料,インタビュー等,上記に含まれないものの,審査編集委員会が必要と判断した情報

この新しい分類により,研究の多様性と柔軟性を担保しつつ,読者にとっても構成が明快なジャーナルを目指します。

【3】編集・査読プロセスの透明性と厳格性の強化

従来どおり,研究論文にはダブル・ブラインド査読,研究ノートにはシングル・ブラインド査読を継続して,匿名性と公正性を徹底します。加えて,編集判断の独立性を保障する制度設計や,利益相反の申告制度,査読に関する守秘義務など,国際水準に準拠した運営体制を整えました。

【4】投稿規定・原稿執筆要領の刷新

オープンアクセス化および論文種別の変更に伴い,投稿規定全般を改訂いたしました。フォントやレイアウトについても一部見直し,原稿作成時の利便性と統一感を向上させました。

日本ベンチャー学会誌『Venture Review』は,ベンチャー研究とアントレプレナーシップ研究における国内有数の学術プラットフォームとして,理論と実践,研究者と実務家の架け橋となる存在を目指します。本誌は今後も,「誠実な知の発信」と「開かれた学術空間」の実現に向けて,審査編集委員会一同,尽力いたします。

会員各位の積極的な投稿と建設的な査読協力により,本誌がさらなる発展を遂げることを期待しております。

2025年8月
横山恵子 審査編集委員会委員長,関西大学教授

※原稿は常時受け付けています。
 但し、年2回の発行にあわせて締め切りは2月25日と8月25日です。

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