(一社)日本ベンチャー学会誌『VENTURE REVIEW』投稿規定
1.目的と領域(Aims & Scope)
日本ベンチャー学会誌『Venture Review』(以下、本誌と記載する)は、日本ベンチャー学会が紙媒体およびオンラインで、毎年3月および9月の年2回発行するオープンアクセスの学会誌(ジャーナル)である。本誌の目的は、ベンチャーおよび企業家活動(アントレプレナーシップ)に関する重要かつ独創的な、最先端の議論に基づく研究論文等を掲載することで、アカデミアだけでなく広く社会に寄与することにある。
本誌に掲載する論文等とは、招待論文と研究論文と研究ノートという原著論文に加えて、書評と特集も含まれる。原著論文は、未発表の独自の研究を報告するものである。日本ベンチャー学会が、文理の枠を超えて、産学官の幅広い会員から構成されていることもあり、本誌が想定する読者は、ベンチャーおよび企業家活動(アントレプレナーシップ)に関連する研究を行う学界・産業界・行政の研究者と学生のみならず、幅広い領域で活躍する実務家を含む。
2.論文等の種別
本誌に掲載する論文等は、ベンチャーおよび企業家活動(アントレプレナーシップ)に関連する領域のもので、種類については以下のとおりとする。
- 研究論文:既存の諸研究の結果を踏まえた独創的な理論的および実証的研究。査読付き研究論文となる。
- 研究ノート:研究論文としての立論や議論その他が十分ではないが、先端的知見にあふれ掲載価値があるもの。査読付き研究ノートとなる。
- 招待論文:審査編集委員会を通じて依頼する研究論文。査読はつかない。
- 書評:会員の参考となるような書籍を検討、評価したもの。審査編集委員会で書籍を決定し、執筆を依頼する。
- 特集:レポート、動向、事例、緊急提言、資料、インタビュー、ドキュメントなど、(1)~(4)に含まれないが、審査編集委員会が必要だと判断した情報を掲載する。
3.論文投稿および著者資格(オーサーシップ)
論文投稿は、(一社)日本ベンチャー学会会員および招聘者に限る。ただし、共著論文の場合において、筆頭著者ではない共著者に非学会員が含まれることは認める。
本誌へ投稿された原稿は、すべての著者が著者構成について承認したものとみなす。著者全員が(電子)署名しない場合は、筆頭著者は、すべての著者が著者構成について承認したことを保証する。原稿投稿後の著者構成の変更(著者名の追加や削除、著者順の再配置など)は、著者全員および審査編集委員会の承認を得る必要がある。
4.原稿投稿締切日
原則として、原稿は常時受付。年2回の発行(3月および9月)に伴い、毎年2月25日と8月25日に締め切り、審査を開始する。
5.投稿論文の条件(オリジナリティ)
- 投稿の言語は、日本語とする。
- 内容の主要な部分が、国内・国外の学会誌、機関誌、商業誌等に掲載、掲載予定、あるいは投稿中や投稿を想定していないこと。ただし、学術講演、国際会議等における口頭発表論文をまとめて投稿したものについては差し支えない。
- 内容の一部が既発表ではあるが、それを深く分析または実証し、その内容にオリジナリティあるいは主張すべき点が認められるもの。
- 上記オリジナリティが認められない場合および原稿の体裁が守られていない場合は、原則、投稿を受理しない、あるいは審査プロセスに回さない。
6.編集および査読プロセス
本誌に掲載する原稿は、全て審査編集委員会が採用を決定する。
学会に提出された最終原稿が、そのまま学会誌に掲載される。投稿原稿は原則として返却されない。また、掲載論文に対する原稿料は支払われないが、論文掲載号1部、論文抜き刷りの電子データが送られる。
本誌に掲載する研究論文はダブル・ブラインド方式の査読を採用し、研究ノートはシングル・ブラインド方式の査読を採用している。以下、詳細を説明する。
(1)研究論文の査読プロセス
研究論文は、審査編集委員会によって任命された2名の匿名レフェリーによる査読結果を総合して審査編集委員会が採用を決定する。
匿名レフェリーは、当該分野における専門知識、評判、他者からの推薦、本誌における査読者としての経験等に基づいて選出される。
匿名レフェリーへのオファーは、原稿投稿締め切り後に行われる。匿名レフェリーは、査読のオファーを受諾してから決められた期限内に最初の査読レポートを提出することが求められる。
匿名レフェリーから提出された査読レポートを受けて、審査編集委員会は、以下の選択を行う。
a. 採用:採用決定の場合は、速やかに学会事務局論文窓口に最終稿の電子データを送ること。
b. 条件付採用:軽微な修正、再レフェリー不要。
c. 再レフェリー:修正後再レフェリー。
条件付採用及び、再レフェリーの場合は、審査編集委員会から提示される査読レポートをもとに修正した改訂稿の電子データを、改訂期限以内に、学会事務局論文窓口に送る。また、修正箇所を明らかにした改訂リストの電子データも添付すること。改訂稿と改訂リストを受理した審査編集委員会は、条件付採用の場合は審査編集委員会が査読し、再レフェリーの場合は初回と同じ査読プロセスを経る。
d.不採用:場合によっては、研究ノートとして再提出が可能である。しかしながら,研究ノートとしての査読を受ける。
(2)研究論文の査読レポート
本誌の方針として、匿名レフェリーのコメントは原文のまま著者に送信する。ただし、匿名レフェリーのコメントに不快な言葉、機密情報、明らかな誤謬等が含まれている場合、本誌は匿名レフェリーに相談することなく匿名レフェリーのコメントを編集する権利を有する
(3)研究論文の採択基準
原稿が、下記の本誌の採択基準を満たした場合に、審査編集委員会は採択を決定する。
研究の問題意識および問題設定が明確であり、新規性・独創性があること。
既存研究との関連において新規性・独創性があること。
研究方法が明確であり、適切であること。
研究の結論および発見事実が明確であり、新規性・独創性を持っていること。
理論的・実践的含意があり、かつ明確に述べられていること。
文章が明確であり、論理展開がしっかりとしていること。
(4)研究ノートの審査プロセスおよび採択基準
研究ノートは、審査編集委員会において査読の上、採用を決定する。審査編集委員会における査読期間は、研究論文の査読期間と同様となる。採択基準は、研究論文のそれに準ずる。
審査編集委員会は、採択基準を考慮して、以下の選択を行う。
a.採用:採用決定の場合は、速やかに学会事務局論文窓口に最終稿の電子データを送ること。
b.再審査:再審査の場合は、審査編集委員会から提示されるコメントシートをもとに修正した改訂稿の電子データを、改訂期限以内に、学会事務局論文窓口に送る。また、修正箇所を明らかにした改訂リストの電子データも添付すること。改訂稿と改訂リストを受理した審査編集委員会は、初回と同じ査読プロセスを経る。
c.不採用
(5)不採用について
投稿論文が、審査プロセスに入る前に、本学会誌が扱う研究テーマから逸脱、あるいは審査を経ても採用が難しいと審査編集委員会が判断した場合は、査読審査に回さず不採用になることがある。
不採用となった原稿は、大幅な修正や変更を条件として新規投稿として扱う。但し、その条件を満たさない場合は、審査プロセスに入る前に不採用になることがある。
(6)審査編集委員会の独立
日本ベンチャー学会は、本誌におけるすべての編集上の決定について審査編集委員会に完全かつ唯一の責任を認めている。日本ベンチャー学会は、根本的な編集工程の破綻がある場合を除き、編集上の決定には関与しない。
編集上の決定は、原稿の科学的な観点のみに基づいて行われ、本誌の他の利益とは完全に切り離されている。
(7)異議申し立て
編集上の判断に誤りがあると思われる場合、著者は審査編集委員会に異議を申し立てることができる。異議申し立ては、著者が査読者や審査編集委員の誤解や誤りの詳細な証拠を提示した場合にのみ検討される。異議申し立ては審査編集委員会が慎重に検討し、最終決定を行う。判断、処理については、出版倫理委員会(COPE)のガイドラインに従う。
(8)査読における守秘義務
本誌は、未発表原稿の機密性を保持する。また匿名レフェリーおよび審査編集委員は、以下を遵守する。
原稿の著者に、匿名レフェリーの身元を開示しない。
原稿やその内容について、原稿や査読に直接関与していない人と議論しない。
原稿のデータや情報を自らの研究や出版物に利用しない。
自分自身や他の人の利益のため、あるいは個人や組織に不利益を与えるために、査読の過程で得られた情報を利用しない。
(9)訂正表と撤回
掲載された論文に誤りがあった場合、訂正表の発行により訂正する。掲載された論文の訂正を希望する著者は、学会事務局論文窓口に、誤りの詳細と変更後の内容を連絡する。
掲載された論文が無効または信頼できない結果や結論を含んでいたり、他のジャーナルで公刊されたり、研究倫理または出版倫理を侵害している場合、撤回を行う。論文の撤回を要求する個人は、懸念事項の詳細を学会事務局論文窓口に連絡する。審査編集委員会は調査を行い、当該論文の著者に連絡して回答を得る。
訂正表または撤回についての決定は、審査編集委員会の裁量で行われる。
(10)著者としての審査編集委員
審査編集委員長を含む審査編集委員会のメンバーが原稿を投稿した場合、自身は当該論文の査読プロセスから除外され、査読プロセスの詳細を閲覧することはできない。
(11)匿名レフェリーの利益相反
利益相反は、匿名レフェリーによる原稿の公平な評価に影響を及ぼす可能性のある状況が顕在する、認識されている、潜在する場合に生じる。具体的には、著者と個人的または職業上密接な関係がある、著者と同じまたは競合するテーマで研究をしている、研究やその出版物に金銭的な利害関係がある、以前のバージョンの原稿を見たことがある等が含まれる。
審査編集委員会は、匿名レフェリーを招聘する際に利益相反の回避に努めるが、潜在的なバイアスを必ずしも特定できるとは限らない。匿名レフェリーは利益相反がある場合は、審査編集委員会へ申告する必要があり、審査編集委員会は申告に基づき最善の行動を決定する。
7.著作権、オープンアクセス、料金
本誌は、完全オープンアクセスであり、クリエイティブ・コモンズ(CC)ライセンスを使用している。このライセンスは、利用者が本誌に掲載された論文を無償かつ出版者や著者の事前承諾を得ることなく使用、再利用を許可するものである。CCライセンスの詳細は以下の通りである。
(1)著作権とライセンシング
本誌に掲載する論文等の著作権は、著者に帰属する。
本誌に掲載する論文等のすべては完全オープンアクセスであり、クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際ライセンス(CC BY 4.0)の下で公開する。そのために、著者は、日本ベンチャー学会出版許諾書に承諾する必要がある。CC BY 4.0とは、適切なクレジットを表示する限りにおいて、営利・非営利を問わず、改変ならびに二次利用を許可するものである。
(2)投稿料および論文掲載料
本誌において、投稿料および論文掲載料は徴収しない。
しかしながら、図表等の印刷や電子データの変換等に特別に費用が発生した場合は、著者の負担とする。
8.原稿の字数制限
研究論文は20,000字程度~30,000字、A4サイズ2段組(標準1段23字×45行)15頁程度。
研究ノートは10,000字程度、A4サイズ2段組(標準1段23字×45行)5頁程度。
なお、論文等の文字数は全角文字換算で、表題・要旨・図表・注釈・参考文献等を全て含めたものである。
9.原稿の体裁
原稿は、【原稿執筆の手引き】に従って執筆すること。
10.原稿の送付方法
投稿申込書およびフェースシートと、本文の電子データ(Microsoft Word)を、学会事務局論文窓口へ送る。
【(一社)日本ベンチャー学会事務局 論文窓口】
E-mail:review@venture-ac.ne.jp
付 則 本規定は、2001年1月1日に遡及し施行する。
改訂:2007年3月15日
改訂:2008年7月4日
改訂:2012年3月7日
改訂:2016年9月1日
改訂:2023年9月8日
改訂:2025年9月5日
【原稿執筆の手引き】
※ホームページ上の論文様式例示に準ずる。
1.投稿申込書の体裁
投稿申込書には、以下のすべての情報が含まれているよう注意すること。所定の様式の投稿申込書を用いること。
- 邦文題名
- 英文題名
- 所属・連絡先の情報
- 投稿者氏名:日本語表記および英語表記
- 所属機関・部署(科)名・職位:日本語表記および英語表記
- 連絡先住所
- 連絡先電話番号
- 電子メールアドレス
2.本文の体裁
- 原稿の字数制限(投稿規定の「8」)を厳守すること。制限ページ数を超えた場合には、原則として返却するので注意すること。
- マイクロソフト社ワード(Microsoft Word)で、作成することを原則とする。レイアウトは以下の要領に準ずる。
尚、詳細はホームページ(https://www.venture-ac.ne.jp)上の「論文様式例示」および「書評様式例示」に準ずるが、文字数はそれぞれの論文等の種類により指定されている字数制限を守ること。- A4横書きとし、用紙周囲の上下左右に25mmのマージン(余白)を取る。字体は基本的にMS明朝(英数字Times New Roman)とする。
- 論文の表題、執筆者所属機関・氏名を、以下の通り記載する。
邦文表題:18ポイントMSゴシック 太字 左寄せ 1ページ目上から1行あける
邦文副題:10ポイント MSゴシック 太字 左寄せ
英文表題:14ポイント Times New Roman 太字 左寄せ
英文副題:10ポイント Times New Roman 太字 左寄せ
所属機関 氏名:10ポイント MSゴシック 右寄せ、氏名の間は一文字分あける
※学生は大学・学部・学科名まで、社会人は大学あるいは企業名まで明記のこと。
※書評の場合、日本国内で出版された書籍であっても、英文表題を記載のこと。 - 研究論文と招待論文は、本文と同様の体裁(次項を参照)で、冒頭に邦文要旨(400字程度・邦文キーワード5個以内)と、英文要旨(280words程度・英文キーワード5個以内)を記載すること。
なお、この要旨は規定の文字数の中に含まれる。 - 本文は2段組とする。1段に全角文字で標準23字×45行とし、10ポイント MS明朝(英数字Times New Roman)とする。
- 章は12ポイント MSゴシック 太字、節は10ポイントMSゴシック太字とする。章、節、項の表示は原則として、「1」、「1.1」「1.1.1」とする。
- 注釈及び参考文献は文末とし、題名は【 】を付けて10ポイント・MSゴシックで【注釈】【参考文献】と明記し、本文は8ポイント MS明朝(英数字Times New Roman)とする。表記方法は「注意事項」を参照のこと。
- ページ番号を下部中央に「1」と表記すること。
- 図表や写真は上記マージン内側の任意の箇所に直接記載し、図表の題名は、10ポイントMSゴシックで表記する。図表・写真はマージン内であればサイズは問わない。なお、前述した様に、図表・写真も字数制限に含まれるので注意すること。また、カラーが使われていても白黒で印刷される。不鮮明で文字や内容が判別しにくい図表は、査読および編集作業において問題となることが多いので、解像度は300dpiもしくは、ベクター形式による張り込みを推奨する。
- 注意事項
- 表題、章、節、項などは、簡潔でわかりやすいものとすること。
- 審査プロセスの「二重の匿名性」を保証するため、表紙以外には投稿者が特定できるような情報は記載しないこと。また本文の記述や参考文献の引用などにも留意し、例えば「拙稿(1999)では……」といった記述は避けること。謝辞および研究費について、投稿時には記載しないこと。なお謝辞および研究費の記載については、15ページの制限に含めない。
- 他から図表を転用する際には出所を明記し、必要な場合には著作権者の了解を得ること。
- 注釈の利用は最小限に止めること。注は本文末に一括してまとめ、本文中の該当箇所の肩に数字・右側片括弧の通し番号<1)2)3)……>を付けること。
- 参考文献は、APA(American Psychological Association)スタイルで、本文末に一括してリストを作成し、日本語・外国語ともに第一著者名のアルファベット順に記載すること。同一著者の論文・著作等は刊行年順とし、同一年に同一著者の論文・著作等が刊行されている場合には、「1999a」「1999b」のように年号の後にアルファベットで順序をつけて区別すること。
- 本文中で参考文献を引用する場合には注とするか、例えば「伊藤(1999)」、「清成・田中・港(1996)」、「Bygrave,Hay,and Peeters(1994)」のように、著者の姓に続けた括弧内に年号を数字で記入する。また著者が2名の場合は、「末松・千本(1997)」、「Bygrave and Timmons(1992)」のように連記することとし、3名以上の場合には「清成ほか(1996)」、「Bygrave et al.(1985)」のように、第一著者に続けて「ほか」(日本語の場合)・「et al.」(外国語の場合)とする。また括弧内の記述については、「……については既に論じられている(Bygrave and Timmons,1992;清成, 1996)」のように、著者名と年号を読点で区切ってまとめ、セミコロンで区切って記載すること。
なお、文献の表記についてもホームページ上の論文様式例示に準ずる。 - 本誌引用の際の表記は、欧文名『Venture Review』とすること。